une Belle Chose で取り扱っているリネンは多くが半世紀〜150年以上前のものです。ホームスパンの反物やグレインサック、マングルクロス、シャンブルリネンやピュアリネン等をご紹介しております。それらは大地や空気、水が化学薬品や農薬で汚染されていない時代に育った麻で織り上げられた本物のオーガニックリネンです。

麻は育った場所により色味や風合いが異なります。フランス、ドイツ、東欧...その地方の風土や気候に加え、紡ぎ手や織り手によっても表情を異にするアンティークリネンはここヨーロッパでも現在希少となっています。昔の人の手仕事の美しさに見とれ、織り目を目で追い、作成に費やされた膨大な時間を想像してみると...その素晴らしさにただただ感銘を受けます。一度手にするとネップや不揃いな織り目こそ素朴な魅力に変化します。

アンティークリネンは、経年の保管による折り皺や埃等のあとがあるものが大半です。また保管されていた場所や状況により古い布特有のにおいがある場合もあります。軽い埃汚れやにおいはお洗濯を数回繰り返すうちに落ちてゆきます。天然繊維の性質上、ネップや毛羽立ち、織り傷がある場合があります。当店で取り扱うリネンや古布は、規格化された現代の品とは商品上の性質が異なりますことご理解くださいませ。



ホームスパンリネン(手織りリネン)

ホームスパンとは家庭で麻の栽培から始め糸を手で紡ぎ織り上げた手織りの布のことです。すべてが手作業なので糸も生地の耳も直線ではなく不揃いです。糸の紡ぎ手によって太さや縒り具合もそれぞれ、また織り手や用途によって生地の厚みや目の詰まり具合も様々なため、1反1反、1枚1枚がすべて違う表情と風合いを持っています。手織りならではの素朴で温かみのある風合いと、リネンならではの心地いい感触をお楽しみいただけます。


 

シャンブルリネン

シャンブルとはフランス語でヘンプ、大麻(オオアサ)のことです。シャンブルは近年また栽培が始まりましたが戦前までしか栽培が許されていなかったので、現在では上質のシャンブルリネンにはなかなか出会えなくなりました。19世紀まで使用されていた織り機は小型で織り上がりの幅が狭く、シーツなど大判のものに仕立てる時は2〜3枚を縫い合わせていました。これは古いリネンの特徴のひとつです。シャンブルは繊維の太さのばらつきが大きく野趣あふれるさらりとした乾いた質感で厚みがあり普通のリネンより重量もあります。他のリネン同様、使用とともに肌なじみの良い風合いに変化していきます。


 

グレインサック

収穫した穀物などを入れるために作られた麻袋です。縦に入ったラインのデザインでどこの家庭のものか判るようになっていました。モノグラムや印字が入っているものもあります。繰り返し使うため織り目はきつく耐久性に優れています。袋状ですのでそのままクッションカバーやバッグなどにリメイクしたり、バスマットに仕立てたり...袋を解くと倍の長さでご利用いただけます。


 

マングルクロス

20世紀初頭、ドイツを中心にヨーロッパでは主にローラー式アイロンが使用されていました。衣類を熱や摩耗から保護するためにマングルクロスの間に挟んでアイロンがかけられていました。長さが 2m〜3m あり両端にラインが入っているものが多く、大変丈夫で良質なピュアリネンです。ラインを利用してエプロンやカーテン、テーブルクロスなどのリメイク等、幅広く活用できます。


 


リネンのお手入れ

水通し前のリネンは、最初の水通しでやや縮みます。裁断したり縫製する前に必ず一度水通しをするようにしてください。また糊や麻の灰汁がたくさん繊維に残っていてます。軽く洗剤を加え優しく手洗いするとそれらが溶け落ちて水が麻の色になります。何度かすすぎ、白いリネンの場合は数時間ほど水かぬるま湯に浸けて置き、その後軽く手でしぼって干します。色物 / 柄物リネンは染料が落ちるので長時間水に浸さず冷水でさっと洗い水を切ります。アイロンは完全に乾く前に織り目に沿ってかけます。乾きすぎてしまうと洗い皺を伸ばすのが大変です。

水通し済みのリネンは洗濯機にかけていただいても結構ですが、抜けきれていない灰汁や染料が出てくる可能性がありますので数回は単独洗いをお勧めします。

une Belle Chose では大半のリネンを一度水通ししてからお渡ししております。水通しをせずにお渡しするお品物に関しましては商品詳細にその旨記載致しております。